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投稿者: 伏見区チーム

2017年6月にスタートした「まちの見方を180度変える ローカルメディアづくり~CIRCULATION KYOTO(サーキュレーション キョウト)~」。伏見チームは、総勢11人のメンバーでスタートしました。

このプロジェクトは、紙やウェブにとらわれない、いままでにない新たなローカルメディアを作っていくことを目指します。
ディレクターの影山さんは、ワークショップの中で、ローカルメディアを「異なるコミュニティをつなげるための手段」だとお話しされていました。

「最終的に自分たちの作った構想案を200名以上入る会場で発表する」
スタートしたとき、多くのひとに向けて発表することを想像すると少し恐ろしかったです。
と言いつつも、このチームで、今まちにあるものを新たな視点から見て、まちの魅力を掘り起こすことでローカルメディアを作りあげていこう!という想いで活動しました。
8月の公開プレゼンに向けて、まちあるきや聞き取り、リサーチを繰り返し、ちょっと斜めな視点からまちを見直すことを意識しました。

毎回、ワークショップの中で各チームの発表を聞くことで、考えを深める機会が多くありました。

では、プロジェクト前半の感想やエピソード、またプレゼンを終えた後に取り組んでいること、今後への意気込みを書いていこうと思います。

ワークショップの中でディレクター陣からは、
「フィルターとしてのエッジの象徴となるものを見つける」
という宿題が提示されました。

フィルター?エッジ?
伏見チームは、まちあるきをしながら地域特有のキーワードを見つけるため、チームメンバーで伏見でフィールドワークを繰り返しました。
そして私たちは、「川」がフィルターとなり、「舟」がメディアとなり伏見という場所を成り立たせていると考えました。
伏見を象徴するとも言える十石舟を用いて、船上マルシェを開くなどして、昔の伏見や大阪・伏見間の物流がよみがえるようなものにならないかなあなど、メンバーと共に伏見を歩きながら考えました。

メンバーが集まって伏見を歩きました。

別の日には、伏見のまちづくり団体「ぴあぴあコミュニティサポート合同会社」の藤崎さんにインタビューを行いました。
伏見桃山界隈のまちの雰囲気、地域活動をしている他の団体の情報、伏見の歴史的背景、巨椋池の話、川魚文化、桃、商店街、遊郭、川、舟、伏見の野菜、日本酒などなど話題は尽きず……。
3時間近くヒアリングにご協力いただきました。

ヒアリングに行くまで、チーム内で地域の必然性に関する裏づけや「伏見ならではの何か」をなかなか見つけられず、もやもやしていました。
ですが、藤崎さんのお話を聞くことで伏見に関する知識がより深まり、メンバーそれぞれの「伏見愛」も見えてきました。

プロジェクト第3回目のワークショップでは、各チームがプロジェクトに参加しているメンバー全員に向けてプレゼンを行う時間がありました。そこでは、取材に行ったメンバーが、伏見地域で活動していらっしゃる食育キッチンの石黒さん、月見館の南さん、山本本家の山本さん、東部農業振興センターの石田さんにインタビューしたときの様子を報告したり、まちあるきをしたときの写真など用いてチームの活動報告を行いました。

この日は、ディレクターの影山さんから、メンバーの特性を活かしつつ、チーム内の役割分担決めを段取りよくしてくださったので、各々の動きが明確になり良かったです。

レクチャーでもお話いただいた中書島繁栄会の北澤雅彦さんにもお会いしてきました。

発表にむけて構想案の内容が明確になりつつあるなか、ディレクター陣からのアドバイスもあり、私たちの構想案の象徴とも言える「舟」を段ボールで制作することにしました。

1m×1mの段ボール紙から型をとってカッターで切り出し、成型していくことで、立体的な「舟」のかたちになっていく過程は、やっていてとても達成感がありました。 なんとか、かたちにすることができて、本当に良かったです。

ついに迎えた、公開プレゼン前の最後のワークショップ。
午前中は、ディレクターの方々を前にプレゼンの練習をしてフィードバックをいただきました。

また、午後からは月に一度だけ開くフリーペーパーのお店「只本屋」の運営をされている山田さん、「京都移住計画」の活動をされている不動産プランナーの岸本さんをゲスト講師にお迎えして、午前中にいただいたフィードバックで練り直したプレゼン案を見ていただき、アドバイスをいただきました。

午前中にご指摘いただいた点を改善するつもりで削った部分が、逆に少し流れや内容を見えにくくしたりする結果になり、午後のプレゼン後に、再びチームで話し合ってスライドの順番を入れ替えたり、スライドを増やしたり減らしたりする作業を繰り返しながら、内容をブラッシュアップしていきました。

途中、ディレクターの1人である編集者の上條さんから、かなりの神がかったアドバイスが降りてきて、なんだかつっかえていたものが、スッキリと水で流されたようにきれいに整理整頓されて、外はもう真っ暗な時間帯、プレゼン案がほぼまとまったのでした。

公開プレゼンの8月6日(日)。
ウィングス京都で13時よりスタートするプレゼンで、伏見チームは14時から、2番目の発表。

今回のプロジェクトでチームが考えたローカルメディアは、
伏見の三十石舟をモデルにしたカーゴバイク、名づけて「伏見m.a.a.r.(ふしみまーる)」。

伏見のまちを、伏見m.a.a.r.が回遊することで、まちのなかに新しいコミュニティが生まれるきっかけになったり、伏見のなかとそとのひとが出会う場をつくりだします。
また、点と点で活動する伏見の個人、団体の方を面でつなぎながら、伏見「らしさ」を発信したりする、そんなローカルメディアです。

公開プレゼン後は、メンバーそれぞれが持つ個人的なつながりによって、類似した先行事例を展開されている団体や個人にお話をお伺いしに行ったり、公開プレゼンの動画をご覧いただきフィードバックをいただいたりしました。
また、地域で活動されている団体のお集まりに参加したり、公開プレゼン後にも活発に活動しています。

現在3人がコアメンバーとなって活動をしています。
後半のメディアづくりは前半と違って、チームのテーマに沿った個人個人の動きが、より必要になってくるかと思います。
伏見地域の課題と自分の関心ごとをどんな風に重ねて、動いていけるのか。
じっくり考えつつ、これからも進んでいきたいと思っています。

文・堀家沙里 (伏見〈呉竹文化センター〉チームメンバー)

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伏見チームのプレゼン映像はこちらから
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