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投稿者: サポーター

「伏見」と聞くと、伏見稲荷や酒蔵のある町並み、日本酒の名産地、あの坂本龍馬が泊まっていた寺田屋のある場所、というイメージが浮かんできませんか?
私も、CIRCULATION KYOTOに参加して、6月に伏見のリサーチをスタートさせるまでは、そうでした。

ワークショップの中で地域のキーパーソンから伏見に関する歴史的なレクチャーを受けたり、資料を集めて読んだり、フィールドワークしたりして、伏見についてのリサーチを深めました。
特に、「京都の中で」伏見はどんな存在であるのか、に着目しました。

伏見は、日本最大級のの河川港湾で、伏見から京都市内へと続く高瀬川という川があることが分かりました。
様々な人やモノが往来する土地だということが分かりました。
また、その高瀬川が運河となり、様々な物資を京都の中心部へ伏見から舟で運び込むという、いわば「物流の要」という地域性を持っていたのです。

このことをキーパーソンの若林さんは「伏見は京都の腎臓である」と言っておられたことに私たちは印象を持ちました。

私たちはこうした伏見の地域性を象徴する「舟」と、伏見に根付いている、水、酒、野菜なを含む食文化と、その食文化に関わる人たちを掛け合わせて、構想案を練っています。

特に印象的だったのは、6/25に開催された奈良文化財研究所の惠谷浩子さんからの特別レクチャーを受けたことでした。
そこで伏見チームのリサーチはより一層深まったと思います。

特別レクチャーでは、今CIRCULATION KYOTOでテーマにしている地域こそが、京都の都市部の営みを成り立たせるためのフィルターになっている、という考え方を教えていただきました。
そこで、伏見のみに焦点を当てて考えるのではなく、「京都の中で伏見はどんな役割を持っているのだろう?」という問いが生まれ、そこから京都全体と伏見の関わりを意識しながらリサーチを進めることができたと思います。

また、ディレクターチームとやりとりの中で、伏見が持つ地域性の象徴として「舟」を考え、その必然性をリサーチを基にして考えることができました。
現在は、8/6に向けて、実際のビジュアルイメージなどのデザイン面についてもディレクターと共にブラッシュアップを重ねています。

(ディレクターの影山さんとまち歩き)

6月から今まで、メンバーは、幾度となく伏見に出かけて、伏見に住む様々な人にインタビューをしてきました。

すでに、伏見のキーパーソンである方々とは、顔見知りにもなれていると思います!

(左端に座っているのは、第1回ワークショップでもレクチャーをしてくださった中書島繁栄会の北澤さん。)

こうした、地域の人たちに入り込んで行くフットワークの軽さが伏見チームの良さだと私は思っています。

8/6のプレゼンテーションでは、構想案を見た人が思わず私たちのアイディアに関わりたくなるような気持ちになってもらえたらいいなと思っています!!

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文・下寺孝典 (グループサポーター/呉竹文化センター〈伏見区〉チーム担当)

大津市と京都市の中間に位置する山科区。
JR・地下鉄・京阪が通り、交通の便が良く、多くの通勤通学利用者が山科駅を利用しています。
しかし、通勤通学者のほとんどは乗り換えのために山科駅を利用し、目的地の駅へ出発していきます。
山科駅を利用するけど、山科には長く滞在しない……つまり、山科の魅力を「通過」しているのです。

山科について詳しくリサーチをしていくと、私たちが生まれるずっと前から、山科を「いかに効率よく”通過”するか」と人々は考え、知恵を働かせていたことも分かりました。

そこで山科チームは、「今も昔も山科は通過される場所である」という点に注目しました。
現在は、山科を通過する存在である通勤・通学者が、山科の魅力を探すメディアを作ることを目指しています。

(リサーチディレクターの榊原さんとメンバーで山科のまちあるきをしました。写真に写っているのは産直野菜の自販機!)

ディレクターの方々とは、ワークショップの中で、
・「通過」=山科になる必然性について
・山科を通過する通勤・通学者に、山科に降りてもらって魅力を発見してもらうにはどうしたらいいか
の2点を詳しく話し合いました。

特に、
・必然性を見出す手法や視点について。
・自分達なら、どういったメディアがあると山科に降りたくなるか?
というアドバイスと問いかけを頂きました。
「誰かのためのメディア」ではなく、「自分たちが一番利用したいメディア」を考えることでより良いものができるのだと感じました。

私たち東部チームは、メンバー同士の協調性があり、ミーティングはいつも和やかです。
特に、様々な職種の方がメンバーとして参加していることは私たちチームの強みかもしれません。
それぞれ違った立場から意見を出し合い、出てきたアイデアをより良いものへとブラッシュアップするように取り組んでいます。

6月にプロジェクトがスタートしてから現在まで、多くのミーティングをして、アイデアを出し合ってきました。
その中でも、特に力を入れたのはフィールドワークを中心としたリサーチです。
自分たちの考えるアイデアを山科区で展開する必然性について考えるため、山科区のキーパーソンとしてワークショップでもお話を伺った、山科ふるさとの会代表の鏡山次郎さんから、山科の地域性についてより詳しいお話を伺いに行ってきました!

(写真左端が鏡山さん。)

鏡山さんからのお話で印象的だったのは
「山科は京都の首である」
「ローカルメディアはただご飯を食べれるとかでなく、文化に触れられるようなものが良い」
という2つの言葉です。

こうした鏡山さんからのお話を参考にし、8月6日の公開プレゼンテーションに向けて構想案のブラッシュアップをしています。

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文・梅垣心太郎 (グループサポーター/東部文化会館〈山科区〉担当)

「人口減少」「少子化」「高齢化」「空き家の増加」……。
今の日本でよく耳にする問題が、西京区、特に洛西ニュータウンでは顕著に表れています。
こうしたマイナスな問題をプラスに変え、洛西ニュータウンを「帰りたくなる街」にしたい!!!という思いを強く抱くメンバーが集まっているのが西京チームです。

そこで、西京チームが考えたのは、ニュータウン内の公園などに不定期に場所を変えて現れる移動式のWi-Fiスポットです。洛西ニュータウンを「帰りたくなる街」にする取り組みの第一歩として仕掛けていきたいと考えています!

Wi-Fiスポットには一緒に「サポーター」として複数の人間が一緒に移動します。そのWi-Fiスポットは、西京区内にある公園に随時移動していきます。そして、公園内限定で子どもにスマホを貸し出します。そこで、サポーターは、子どもに対して、公園でのあそびと、スマホを連携させた新しい遊びの形を提案してくれます。それだけではなく、サポーターは集まってきたお年寄りの方たちに、スマホの使い方を伝授します。
このように、Wi-Fiスポットを「メディア」として、サポーターがWi-Fiスポットと移動を共にすることによって、子どもたちやお年寄りの方が集まるのではないかと考えています。
子ども同士の交流、お年寄り同士の交流、そして、子どもとお年寄りの交流など世代を超えた交流を、Wi-Fiを通じて生む、ということです。

こうしたWi-Fiを軸とした案に対して、ディレクター陣から3つのアドバイスをもらいました。

その1:
子どもとお年寄りが集まる必然性は作れそうだが、スマホを使いこなしている世代が集まる必然性を作れないか。
その2:
Wi-Fiと一緒に回るサポーターの仕事・役割をイメージしやすくするために図や画像にしてみる。
その3:
「洛西ニュータウンを変える!!」という何十年後までも見据えた取り組みの全貌を誰にでも分かりやすくプレゼンできるように工夫してみる。

チーム内で様々な案が出るのはとてもいいことだと思います。
ですが、出た案を客観的に見直すことや、リサーチを深めて、その案を西京区でやる必然性や実現性を高めるための議論や根回しも大事なことなのだなと、チーム内、そしてプロジェクト内でのディスカッションを見ていて感じました。

プロジェクトが始まった6月から現在まで、チームでのミーティングはメンバーの仕事終わりに行ってきました。
夜遅い時間からスタートすることが多いため、喫茶店など集まって話ができるようなお店が閉まってしまうことも。

チームの中には、実際に洛西ニュータウンに住んでいるメンバーがいます。そしてそのメンバーの一人は、ニュータウンや西京をよくしようと活動をする傍ら、嵐山にあるカフェのマスターだったりもします。
そこで、その嵐山のカフェで連日ミーティングを行っています。
そこが西京チームのミーティング場所であり活動拠点です!

ちなみに、そこのマスターの作る料理は格別なんです。中でも私のお勧めはグリーンカレーヌードル!日替わりメニューなので絶対食べたい人は予約してくださいね。
そして料理だけでなく内外装もオシャレなのでデートにもおすすめ!ぜひ訪れてみてください!
UN-O京都嵐山 京都市西京区嵐山中尾下町32−3 http://un-o.net/

ということで、8月6日のプレゼンテーションにむけて、今日も鋭意ミーティング中です。

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文・松原湧佑(グループサポーター/西文化会館ウエスティ〈西京区〉担当)

私たち北区チームは、北区で古くから行われている「振り売り」に注目して構想案を作っています。

振り売りとは、野菜など食品を中心とした物資をリアカーなどで運び、街中を練り歩きながら売る、というものです。現在は、軽トラックで振り売りをしている場面がよく見かけられます。

2012年のあるデータからは、京都市内の振り売り数は全体で113件であり、その中の98件が北区で行われていることが分かりました。約90%の振り売りが北区の中で行われているということです。(註1)

振り売りは、今も昔も農家の女性の仕事として受け継がれてきました。男性が農作業をしている間に、女性がまちのなかへ販売に歩くという伝統があるのです。

振り売りは、振り売りをする農家の人と、買う人の信頼関係から成り立っている、とも言えるそうです。
そのため、規格外の野菜を販売することができたり、振り売りの地域の人にとって振り売りは一つの情報交換の場になっています。北チームでは、こうした振り売りの文化から、北区特有のヒトの移動とモノやカネ、そして情報交換を行う、文化的土壌があると考えました。

(註1:三俣延子、産業観光局農林振興室農業振興整備課(2012)「京野菜(地場農産物)でつながる洛中洛外ネットワーク~地産地消の過去・現在・未来~」公益財団法人 大学コンソーシアム京都 シンクタンク事業 より引用。)

(チームのミーティングでは、みんなでホワイトボードを囲んで議論を整理しています。)

振り売り」をローカルテーマに据えながら、ディレクターの影山さんや上條さんと話している中で「一人が一人に届ける強さ」「親密度」というキーワードが出てきました。
この「親密度」を具現化するには、地域の人々のリアルな表情や風景のビジュアルを出すことで、温度感のあるストーリーを描くことが重要である、というアドバイスをもらいました。
北チームでは、このアドバイスと、「一人が一人に届ける強さ」「親密度」の2つのキーワードを軸にしながら構想を進めてきました。

そこで私たちは、北区内のフィールドワークはもちろんのこと、鷹峯の農園の方に振り売りについてお話を聞きに行ったり、地域の住民の方へのインタビューを特に多く行ってきました。

(振り売りを行なっている農園の方へのヒアリングへ。この日は、夏野菜が旬を迎える時期。オクラがたくさん!)

北区チームの特色は、メンバーが連携を取りながら、地域の方へのインタビューを多く行い、地域の方との実際の交流を大切にしながら「ローカルメディア」の構想を作り上げているところだと思います。

8/6は、メンバーと地域の方々との交流が、うまく活かされた形でプレゼンテーションできるように準備しているところです。
より具体的な形で構想案を提案できるように、ギリギリまで頑張っていきたいと思います。

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文・川上茉衣 (グループサポーター/北文化会館〈北区〉チーム 担当)

私たち右京チームは、全国的にも知名度の高い「百人一首」をローカルテーマとして設定しました。

「小倉百人一首」とは、平安後期から鎌倉初期に、藤原定家が右京区の小倉山で編んだものです。
そこには、洛中で詠まれた歌が、右京区内で編纂され「百人一首」となることによって、再び洛中の文化に影響を与えてきたという歴史があります。

さらに、右京区で生まれた「百人一首」は、日本古来の「歌」というメディアであると私たちは考えました。

そして、右京の外と関わりながら育まれた歌のメディアを、「チーム右京知らズ」を自称する、外モノの私たちにしかできないメディア作りの鍵として、構想を進めていきました。

ローカルテーマを選ぶ際、ディレクターの影山さんから、「『小倉百人一首』が右京区で成立したことだけでは説得力や必然性が足りない」という指摘を受けました。

そこで、なぜ右京区で「小倉百人一首」が成立したのか、また、どういった理由と経路で全国に広まっていったのか、そして、どのように日本文化に影響を及ぼしたのか…。
「百人一首」を現代の右京区のメディアテーマとする、誰もが納得できる背景を徹底的にリサーチしました。

リサーチは、フィールドワークと資料の収集を中心に進めました。特に右京区で活動されているキーパーソンとなる方々にお話をお聞きしたり、メンバー各自が資料をもとに右京区と百人一首について調べたりしました。

そうした中で、右京には、山間部・観光地・住宅地と大きく三つ分かれており、地域が持つ課題を一つにまとめるのか難しいのではないか?という議論にもなりました。

そこで私たちは、様々な方々が各々の気持ちを載せた百人一首を詠む「短歌会」を開くことを考えました。
地元に住んでいる方の悩み、自治会の思い、観光客の気持ち、右京で働いている方たちの気持ち、消費者の気持ち、家族、恋人、友達に関すること…などなど、
一人一人の思いを共有することで、地域にある課題を見つけ、その課題を解決に繋げていくことを目指します。

これまで多くのミーティングを重ねて、メンバーがリサーチを経て各自思っていることや考えていることを共有する中で、意見が対立したり、本当にこれでいいのか不安になることも多々ありました。
ですが、チームで協力しながら各自役割を分担することで、右京区で「百人一首」をテーマとしたプロジェクトを進めていくことの必然性の追求と、構想案の詳細を詰めています。

8月6日のプレゼンテーションでは、これまでのメンバーのリサーチと議論を踏まえた構想案を、右京チームらしくプレゼンテーションできるように、チーム一丸となってギリギリまで頑張ります!
私たち右京チームの構想案にご期待ください!!

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文・伊藤真菜・福谷咲奈(グループサポーター/右京ふれあい文化会館〈右京区〉担当)