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私たち北区チームは、北区で古くから行われている「振り売り」に注目して構想案を作っています。

振り売りとは、野菜など食品を中心とした物資をリアカーなどで運び、街中を練り歩きながら売る、というものです。現在は、軽トラックで振り売りをしている場面がよく見かけられます。

2012年のあるデータからは、京都市内の振り売り数は全体で113件であり、その中の98件が北区で行われていることが分かりました。約90%の振り売りが北区の中で行われているということです。(註1)

振り売りは、今も昔も農家の女性の仕事として受け継がれてきました。男性が農作業をしている間に、女性がまちのなかへ販売に歩くという伝統があるのです。

振り売りは、振り売りをする農家の人と、買う人の信頼関係から成り立っている、とも言えるそうです。
そのため、規格外の野菜を販売することができたり、振り売りの地域の人にとって振り売りは一つの情報交換の場になっています。北チームでは、こうした振り売りの文化から、北区特有のヒトの移動とモノやカネ、そして情報交換を行う、文化的土壌があると考えました。

(註1:三俣延子、産業観光局農林振興室農業振興整備課(2012)「京野菜(地場農産物)でつながる洛中洛外ネットワーク~地産地消の過去・現在・未来~」公益財団法人 大学コンソーシアム京都 シンクタンク事業 より引用。)

(チームのミーティングでは、みんなでホワイトボードを囲んで議論を整理しています。)

振り売り」をローカルテーマに据えながら、ディレクターの影山さんや上條さんと話している中で「一人が一人に届ける強さ」「親密度」というキーワードが出てきました。
この「親密度」を具現化するには、地域の人々のリアルな表情や風景のビジュアルを出すことで、温度感のあるストーリーを描くことが重要である、というアドバイスをもらいました。
北チームでは、このアドバイスと、「一人が一人に届ける強さ」「親密度」の2つのキーワードを軸にしながら構想を進めてきました。

そこで私たちは、北区内のフィールドワークはもちろんのこと、鷹峯の農園の方に振り売りについてお話を聞きに行ったり、地域の住民の方へのインタビューを特に多く行ってきました。

(振り売りを行なっている農園の方へのヒアリングへ。この日は、夏野菜が旬を迎える時期。オクラがたくさん!)

北区チームの特色は、メンバーが連携を取りながら、地域の方へのインタビューを多く行い、地域の方との実際の交流を大切にしながら「ローカルメディア」の構想を作り上げているところだと思います。

8/6は、メンバーと地域の方々との交流が、うまく活かされた形でプレゼンテーションできるように準備しているところです。
より具体的な形で構想案を提案できるように、ギリギリまで頑張っていきたいと思います。

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文・川上茉衣 (グループサポーター/北文化会館〈北区〉チーム 担当)